対外MTGの時間密度を上げたい

仕事柄、社内外で他の方とお話しする機会も多く、場数を踏んだ甲斐もあり初めましてのミーティングもそつなく行なえるようになりました。

そんな毎日なのでリモート体制下においてもコミュニケーション不足に仕事に飽きる*1ということはないわけですが、さらに踏み込んでいけるような気もしています。

踏み込む、というのはより具体的にいうと単位時間あたりの効率性を高めたい、ないしはバックグラウンドの違う方々とより深く理解しあいたいということで、そのための仕組みを自分の中に持つにはどうすれば良いのかを思索しているのがここ最近の私です。

このことを自分なりに整理して、最近意識するようにしているのが「前提を揃える」ということ。この概念について、参照できる文献は数多あると思いますが、私は「1%の努力」から借用しています。

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他人と意思疎通する時に用いる言葉がそれぞれの抽象化の産物であるがために、抽象化の前提を確認しながら進めないとどこかズレている上滑りしたやりとりになってしまいがちです。

特に職能だったり職歴だったりが異なるバックグラウンドを持ったメンバー間の場合は、ベースとなる知識や感覚を確認しながら進めないとせっかくの同期的な時間が無駄になってしまうことも少なくありません。

とはいえ育ってきた環境が違うのだから全部が全部、基礎を一致させるのは無理なわけで、可能な限り土台を構築しながらコミュニケーションを進めることに努めています。なんかややこしくなってきたぞ。

つまるところ、どういうケースで視座を上げて、どんな話題を取り上げる時に現場での経験を押し出していくのかということを常に考えながら対話する。

やってみると痛いほど実感するのですが、この視点の上げ下げ、ないしは具体と抽象の行き来は、いざやろうとして一発で上手くやれるものでもない。言い得て妙な表現が出てこないし、何を言っているのか自分でも分からなくなってパニックを起こすこともある。

この問題は自分自身が思考法に慣れていないからだと考え、だからアウトプットを意識してでも積極的に行うことで少なくとも自分が強みとする(したい)領域について言語化・体系化して自由に視点を切り替えられないか、と試しているのが最近です。

あわよくば、その過程で自分が今まで見えていなかった観点にも気づいていければ良いな、と思います。

*1:振り返ってみると、もくもく系の仕事が多かった時期はメンタルにくるというか、「とにかく誰かと話したい」という欲求が強かったように思います。

Fukuoka.rb 200回 LT大会 (#202)で発表してきた

Fukuoka.rb 200回 LT大会 (#202)

LT大会と聞けば申し込まずにはいられない性分で、そういえば久しく発表もしていないなということもあり勢いでLTしてきました。ノリ駆動LT。LTだから許される。

とはいえ、登録することが優先なためその時点でネタもあるはずもなく、RubyコミュニティであるからにはRubyに関連した話をしたいと考えていたわけです。そうすると直近趣味開発で得られた(というと大仰すぎるかもしれませんが)ナレッジがあるな、と思い至りました。

発表内容の大筋はそんな開発での個人的な気づきで、一言でいってしまえば「OSSの更新をキャッチアップしていなかった」ということになるのですが、何もしなければ自分の中で閉じていた内容を(拙いとはいえ)外部に出せたのは良かったです。

開発で知見を得て、勉強会で発表する機会を得て、外部発信するというのはかつては普通にやっていたわけで、このプロセスの積み重ねが(例え業務で手を動かしていなくとも)自分のポートフォリオを作ってくれるのだと信じています。

溶けた2月と終わりつつある1Q

ブログ、一回途切れるとホント書かなくなるなあと思いつつ、公私ともにすべきことがあったのもまた事実なわけで。他のことを優先してたのです。

どんな仕事もある程度季節性があるんじゃないかな、と思うのですが、私の場合もご多分に漏れず2月がちょうど忙しい時期にかぶっておりました。

それも3月に入ったら幾分は落ち着いたのですが、一度崩れた習慣はなかなか元には戻せないもので。できた余裕時間で今年から始めた趣味のチーム開発を進めていたりして気づけばこれまでブログを書かなくなったのと同じパターンとなりつつありました。

ちなみにこのサイドプロジェクト、今今はステルスでやっているのですが、雰囲気は最近LT会で発表した通り。仕事で開発らしい開発をしなくなって久しいので、懐かしさ半分、今の自分がどこまでできるのかの挑戦半分で楽しんでやっています。

ともあれ、そんなところで日々としては一定完成・充実したものになっているのですが、他方で対外的なアウトプットがあまりできていないなぁという気持ちが漠然とあったのも事実。

「やりたい」思いばかり強くなっても行動のハードルを高くするだけなので、習慣と同じでまずはコンパクトに筆をとっている次第です。ちょうど年度も変わりそうなタイミングなので、マインドシェアの振り方を見直せるかな?と試みているのもあります。

ブログのネタについては幸いにもインプット習慣(主にAudible)は続けられているので関連したトピックで書けると良いなぁと考えております。個人的には効率的なインプットのためにもアウトプットは大事だと思うのでぜひまた再開できたらと思います。

決意表明はそんなところで、年初からのアップデートについても少し書いておきます。

おかげさまで昨年終盤から始めた習慣は今のところ大きな問題なく続いています。一部では結果も出始めていて、体重がいい感じに減っているだとか、英語のプレゼンテーションがだいぶ聞き取り理解できるようになってきたとかは良い話だと思います。

仕事に関してもありがたいことに年初から新しい種別の仕事を任せていただいております。この仕事は会社の中でも前例がないもので、故にKPIやフローについても自分で築いていかなければならない類のものです。業務のやり方を開拓するところは、ちょうどReproでソリューションアーキテクトを立ち上げていた頃に近しいです。

今度は経験豊富なチームのバックアップがあるのがありがたいです。諸先輩方の仕事術に勉強させていただきながらも順当に自分ならではの価値を提供していければと試行錯誤しております。

プライベートでは入籍しました。実は私の誕生日婚です。相手の方とは1年以上同棲していることもあって入籍前後で生活の実感は変わらないのですが、日々指輪をつけるようになって人生のフェーズが移り変わりをゆるりと感じています。

ポッドキャストについては年初に録った分をようやく出せました。いい話をしているのでぜひ聞いてみてくださいね。収録についても2本ほど行いました。順次編集していければと思います。

言葉が指すスコープの広がりが面白い『習慣の力』

www.amazon.co.jp

『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』や『ぼくたちは、習慣でできている』など習慣に関する本から参照されている、習慣の本の中の習慣の本。

treby.hatenablog.com

treby.hatenablog.com

個人的には「習慣」という字面からは特定個人が恒常的に行っている所作のことを連想していたのだが、この作品で取り上げる作品は個人はもちろん、コミュニティや組織、さらには社会にまで習慣の法則を当てはめているのが非常に興味深い。

ねり歯磨きを使う文化のなかった1900年代初頭のアメリカでいかに商品を定着させたか、P&Gがファブリーズをいかにしてヒット商品に昇華したのか。無意識の習慣にアプローチしたスターバックスの新人研修制度や米小売り企業のマーケティング戦略。さらには、医療ミスが多発する病院や地下鉄火災を「組織の習慣」という切り口から考察する等々、パッと思い出すだけでも幅広く取り上げている。

これまで私はそれなりに習慣や社会心理学に関する作品に触れてきた、と思う。本書はそのすべてで取り扱っているテーマを網羅するだけでなく、なんなら失敗学やマーケティング、マネジメントなど、一見これらと関係ないと認識していた作品にも関連性があることの示唆出しをしてくれる。

treby.hatenablog.com

lineblog.me

treby.hatenablog.com

文献から得られた知識を自分のものにするには、ただインプットするだけでなく他のところで聞いた情報と情報をつなぎ合わせてネットワークを作ると良いというが、まさにこの連想がたくさん起こって気持ちの良い一本だった。

scrapbox.io

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『イシューからはじめよ』より

マネジメントに携わる人のための万能処方箋『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』

https://www.amazon.co.jp/dp/B01MU055XH

インテルの一時代を担ったアンドリュー・S・グローブ氏による著作。内容とは全然関係ないのですが、読み始めから読み終わりまで相当時間がかかった一冊です。

もちろん背景には、和訳との相性がよくなかったとか、日々のルーチンの中に上手く読書を取り入れられなかったとかあるんでしょうが、一番には取り上げているテーマが経営という、自分の経験と遠いところだった、というのがあるのではないでしょうか。

私にとってはそれくらいには難解なジャンルだったのですが、ただ書かれている内容は至極真っ当というか、納得感のあるものでした(難解とか言っておきながら)。

自分の経験では数人〜1000人程度のまあ大企業というには程遠い*1規模の会社しか見られていないのですが、それでも部署を機能単位で分割するのか職能単位で分割するのか、結果がまだ出ていない際の評価をどうするのか、厳しい評価をどう伝えるのか、のような話はあったなぁと記憶に照らし合わせながら読み進めていました。

開発者であってもEMやPjMのような職種には十分に活かせそうな示唆に富んでいると思います。

今回は読書進捗がよくないこともあり*2気合いで一周したのですが、肌感では本書にはまたいつか仕事で壁にあたった時に拠り所として戻ってきそうな気がしています。

*1:スタートアップ基準では三桁人数は十分に大きいとはいえ

*2:日々、積ん読が増えているわけですし

2021年の抱負

2020年の振り返りは先日したので、今度は抱負をば。

treby.hatenablog.com

中にはすでに始めているものもあり特に今改めて宣言する必要はないのですが、そこはお正月という区切りということで一つ。

今時点で、ざっと思いつくのは

  • 自分を習慣の動物にする
  • アウトプットファースト
  • 情報を取捨選択し見識を広める
  • 越境人材として足りない能力を強化する
  • 専門人材の武器たりうる専門性を高める

といったところでしょうか。

規則正しい生活を起点とした半分戦略的な自己投資とプロとしての貢献の両軸を見据えております。

個人的には今時点で割と手応えがあるのですが、これを継続した時、どれくらいいけるものでしょうか?楽しみです。

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明治神宮

エアコミケ2の裏方をお手伝いしていた

改めまして、今年もよろしくお願いします。

2020年暮れは例年恒例のコミケがないということで「やれやれようやく真っ当な年末年始を送れるぜ」と思っていたのですが、ひょんなことからお声がけをいただき、当日Twitterの運用をやることになりました。今年の年末はゆっくりできるね、という発言自体がフラグだったんですね、わかります。

twitter.com

「マジかよふざけんな」との言葉とは裏腹に嬉々とした表情で、これはコミケスタッフあるあるかとは思っていますがマゾかな?という心持ちで業務にあたっておりました。

参考: EOF2019での話はこちらから

エアコミケ2の体制

平常時のコミケであればコミックマーケット準備会というボランティア組織が主体となって運営しているのですが、エアコミケの場合はちょっと特殊で準備会の中でも有志が集まって企画・運営しています。つまりコミケなんだけども、必ずしも通常のコミケと同じ組織体制というわけではなかったのですね。

前回5月のエアコミケ*1での振り返りや反省を踏まえ、オンライン開催を前提として推し進められたのが今回のエアコミケ2であると認識しています。

私としては普段のコミケで業務をご一緒している関係から、その中でWebやSNS運用セクションとして手伝ってもらえないかとお声がけいただいた経緯となります。お声がけいただいた達さんありがとうございました。

自分なぞは当日+αにひょろっとMTGや業務に顔出してるくらいのものですから、エアコミケ2生放送にも出演されていましたが、岡安さんはじめとした企画推進を担当された方々には感謝の気持ちしかありません。大変お疲れ様でございました。

Twitter運用の裏側

私自身はそんな温度感でジョインしていたものですから、手探りしながらTwitter発信しつつ、全員にとってやりやすい運用スタイルを模索し続ける2日間でした。

やることは生放送番組や公式Twitterで取り上げるツイートの発掘と、必要であれば公式Twitterでリツイートもしくは言及する、というシンプルなことなのですが実際やってみると結構考えなければならないことがあることに気づきます。そもそも個人個人だとアンテナは偏ってしまいますから、スタッフ全体のアンテナを借りてあらゆるテーマをウォッチできるようにするのがベターです。

またツイートが集まってきても、エアコミケ2のスタッフ組織として実施する以上は寄せられたツイートを(原則的には)ノーチェックで通すわけにもいきません。スタッフ内での合意、キーマンによる牽制が効く状態および公式Twitterとして取り上げて問題ないか・取り上げるジャンルが偏りすぎていないかを可能な範囲にはなりますが総合的に判断しないといけないのです。

もともと粗々のフローはありましたが細部に改善余地があるところも見られ私としては2日の中でTwitter運用をやりつつ、できそうな部分については業務フローや仕組みを作り上げていきました。

特に仕組みの部分はSlackやスプレッドシートが導入されていたので、私としては手を出しやすく幸いでした。

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スプレッドシートのイメージ

オンラインイベントあるあるだと思うのですが、スタッフ自身も知らないうちにイベントが終わってしまうことも懸念されました(みんな肉体は自宅ですからね、、、)。そのためまずは、メインのコミュニケーションツールであるSlackの盛り上がり感の演出に着手しました。

具体的には、とにかく(多少うるさいくらいにでも)botによる自動投稿を増やすことでした。その中で各スタッフが各人気になっているツイートを投稿しやすい下地づくりを意識しました。

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はじめにこんな投稿をしておいて……

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1時間おきにリマインドする作戦

投稿ツイートについて基本はスプレッドシートで管理されていたのですが、モバイルでの操作だとスプレッドシートへの記入は面倒くさいのではないか、という仮説を立てました。そこでより気軽にツイートを報告できるようSlackのワークフロー機能を試してみたり。

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Slackフォーム記入をhookにSlack通知&スプレッドシート反映

反対にそれだとスプレッドシートに直接記入されたものをSlack側から検知できないので、スプレッドシートに記入された際にSlackに投稿するようなGASを書きました。楽しかったです。

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Slack↔︎スプレッドシートの連携を実現

その対応の中でSlackのIncoming Webhook周りが変わるらしいという情報も得ましたが、時間的制約のため今回は試さず。

合議の部分は一定の裁量を持たせてもらいつつも、特別に審議が必要なものは相談・スタンプベースのコミュニケーションなど大きなトラブルはなく進行できたかな、と思います。

エアコミケ2当日は雑談用にZoom部屋が用意されていて、コミケを支えているキーマンの方々に相談しやすかったのも非常に助かりました。私自身ペーペーなため最初はTwitter発信におそるおそるだったのですが、多くの方に「まずはやってみよう」背中を後押しいただくことでなんとか行うことができました。ありがとうございました。

自宅でコミケ気分

流石にコミケはリアルで集まらないと難しいのではないか、と私自身思っていましたが、このようにして各所と相談・コミュニケーションしながら過ごす2日間は普段のコミケと遜色のない体験となりました。

次回以降、コミケ開催がどのようになるのか現段階では不透明な部分もありますが、エアコミケを通じて得られたノウハウを可能な限り本編にもフィードバックできれば素敵なのではないか、と思う今日このごろです。

ともあれ、関係各所のみなさま、そして何よりエアコミケを盛り上げてくださったすべてのみなさまに感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。

*1:こちらは私個人としては特に絡んでいないのですが、リアル開催中止発表からの準備期間もなかったのでバタバタだったと聞いています。