Shinjuku.rbを再開した + 今後の話

きっかけは本当に偶然だったが、自身がOrganizerを務めているShinjuku.rbを再開できることになった。

3/28に開催した再開プレDrink Upの場で、即興であるが自分の考えや今後の話をしてきた。

端的にまとめると今後のコミュニティ運営をハマちゃん(@hama8383)や南谷さん(@yuki3738)を旗振り役とした新体制に移行したい旨と、同時に現在のOrganizerであるたださん(@tdakak)と私は今後サポーターに回りたい意思を表明した。

コミュニティの代替わりともいえるこの出来事は、Shinjuku.rbにとって大きな転機であるしナラティブ的な要素もあるのでブログを残すことにした。

Shinjuku.rbとは

Shinjuku.rbは元々、shishiさん(@shishi4tw)が立ち上げた地域Rubyコミュニティの一つで、新宿界隈のRubyistがインタラクティブに交流することを価値においている。

私自身はshishiさん時代のShinjuku.rbに参加していないが、聞くところによるとモブプロやExtreme Fishbowlといったコンテンツが多かったらしい。コロナ禍を挟んで長い間一緒にOrganizerをしていた、たださんによると、特別なものだったとのことである。

二代目への移り変わり

それがOrganizerのshishiさん自身が新宿から離れてしまい開催されなくなったのが2014年の上旬で、その1年後に三木さん(@threetreeslight)が手を挙げて再開したのが今の体制の原型である。実に9年前のことで時間が経つのは早い。

FacebookのShinjuku.rbグループでの投稿

当初は三木さんに加えて、角さん(@sumyapp)、私という体制で開始した。これまでのコミュニティ方針をリスペクトしつつもその時の体制ならではの色を出したいとの考えもあり、インタラクティブな議論を大事にしながらも毎回テーマを決めて月一で開催するという形で落ち着いた。

しばらくはこのスタイルを続けていたが、数年続ける中で流石にネタ切れに直面し、中後期はRustGoといったOrganizerやコミュニティが興味のある話をするような場に変化していった。その頃からExtreme FishBowlやモブプロ、単なる飲み会(忘年会、新年会 etc)のような試みも増えていったように思う。

会場に関しては初期は松倉さん(@matsubokkuri)のつながりで西新宿にあったメタップス社を使わせてもらったり、有志の方々のイベントスペースをスポットで借りたりしていたが、当時私の所属していたReproが代々木に移転してからは、新しくできたReproのイベントスペースで行うことが通例となった。

月日の流れとともにOrganizer陣も多少の入れ替わりがあり、角さんが多忙で参加できなくなったり、板倉さん(@itkrt2y)に入ってもらったり、三木さんがやはり多忙で欠席しがちになったりと変化があった。そして気づけば、たださんと私という体制に落ち着いた。

二代目Shinjuku.rbの休止

二代目が休止に至った大きな理由の一つは間違いなく4年前のコロナウイルス感染症の拡大だろう。同一の事象で多くのコミュニティが打撃を受けたと思う。

他には、私自身が転職してRubyの会社で働かなくなり、業務・プライベート共にRubyに触れられる機会が減ってしまったこともあるかもしれない。

実際にはconnpassのイベント履歴を見ると、2020年9月〜2022年7月の期間でOnline開催をしていた形跡が残っている。

これは勉強会というよりはコミュニティの有志で生存報告をしあうという側面が強かったように感じる。今からすると昔の話となったが、リモート主体の環境の中、各自宅からPCに向かって緩くお酒を飲みながら駄弁ったりコード談義したりするのがそれはそれで乙だった。

リモート化で緩く続けていたが、業務上の多忙やOrganizerの都合で2023年は一度も開催できなかった。そうして何となく二代目の休止期に入ってしまった。

再開のきっかけ

実際には休止している間も全くつながりがなくなったわけではなく、仲の良いRubyistと飲んだり、RubyKaigiでコミュニティとのつながりを細々と保っていた*1

ただ、2023年半ばにコロナウイルス感染症の5類移行がアナウンスされ、少しずつオフラインのイベントが復活する中でもShinjuku.rbの再開目処は立っておらず、実質休止したままになていた。

理由としては、先述の通り業務でRubyに触っていないこともあるし、ここ数年で私自身の関心が変化したというのもある。さらに個人的には、コミュニティは大好きな一方で看板に掲げているRubyから遠くなってしまった人間がRubyのコミュニティを主催していて良いのだろうか、という葛藤もあった。

旧友を温めるようなドリンクアップであれば歓迎だが、それであれば個別にお声がけしてやっているわけでコミュニティでやる、という感じではなかったのだ。

そんなふんわりと休止したShinjuku.rbの歯車が回り始めたのは、1月にあったEM系のイベントでの南谷さん(@yuki3738)との偶然の再会だった。

anotherworks.connpass.com

お互い純粋にエンジニア採用に関心があったのだが、思わぬ再会に話が盛り上がり、その流れでShinjuku.rbを再開しようとノリで各所に連絡し始めたのがきっかけだった。

大体のコミュニティトピックは飲み会が話をドライブする

面白いのは、南谷さんが昨年末に転職した先の会社のCTOでもあるヤブさん(@yaboojp)とは2023年のRubyKaigiで再会しており、たまたま会社間のつながりもあったことからやや密にコミュニケーションをとっていたことだ。

さらにはお二人の会社には、直近でかいばさん(@kaiba)という古くからのつながりの方も転職しており、徐々にRubyコミュニティ味を帯びてきていた。そんなShinjuku.rbのOrganizerでありながら何とも動けていない自分と第一線でRubyを使って事業を行っている会社の再会にただならぬ縁を感じた。

南谷さんの紹介で、直近活発に活動しているOmotesando.rbのハマちゃん(@hama8383)を交えて無理のない範囲で企画したのがここまでの経緯だ。

今後のShinjuku.rb

イベントページを公開してみて、その反響の大きさには驚かされた*2。2019年ごろは20人登録していると多い方だったのが、執筆時点で募集定員を超えるほどの申し込みが入っている。

参加者層も懐かしい面々が見える一方で、着実に新しい方も増えてきているのがコミュニティの継続性としてはありがたい。個人的には、LT需要が高くなっているというのは驚きで、きちんとLT登壇者を管理しないと回らないというところに、自分が運営をやっていた頃とは文化が変わったことを感じた。

冒頭に述べた通り、現在のOrganizerであるたださん(@tdakak)と私は今後サポーターに回りたいと考えているが、先日のDrink upにてonigraさん(@onigra_)からOrganizerに挙手もあったり、早速コミュニティとしての面白い化学反応が起こっているように感じる。

一時期、運営に深く関与してきた人間として、今後のShinjuku.rbの展開が楽しみだ。

*1:さらに特筆すると、Rubyコミュニティの繋がりの@takeyuwebさんや@yensakiさんにはお仕事の上でも大変助けていただいている(参考動画)。ありがとうございます。

*2:ちなみに「好きなものLT」というテーマはRebootに携わるメンバーの飲み会の中で、ハマちゃんが提案してくれたものだ

2023年のふりかえりと2024年の抱負

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします*1

年初に宣言していた通り、昨年は発信がキーとなった年でした。

treby.hatenablog.com

社外発信用の記事を出したり、インタビューを受けたり、テックイベントを立ち上げたり、主に採用広報を目的に2022年はほぼゼロ*2だった対外的な発信をメインではないにせよ半ば意識的に行いました。

note.com

liginc.co.jp

note.com

treby.hatenablog.com

活動を通じて、自社独自のスタートアップと興味を持つ方を繋げるための枠組み(コミュニティ)を作るきっかけになったり、支援チーム全体の事例発信を行う流れができたり、とこれまでになかった流れを作ることができました。

一方で発信の先のゴールに据えていた採用に関しては結果が出ませんでした。発信活動からPRや採用支援といった他チーム連携ができたのは良かったのですが、ふりかえると採用のアクション量を増やすための動きや採用に直接つなげるための巻き込みもできたのかもしれないな、と感じます。

引き続き、長期目線で発信は継続していきますが、並行して足元のチーム強化は行うので、今年はこの学びを活かしてアクションを取れればと思います。

また、当初想定していなかったこととして、個人的にはアジャイルコミュニティとの出会いが大きく行動に影響を与えました。

treby.hatenablog.com

新たな人々や知見との出会いは暗中模索だった自分にとって登ってみたい山と共に高めたい仲間を提示してくれました。感謝。

一年を通して、この世界については何も知らないということがわかった*3ので、今年は謙虚に知見を吸収し、また自分でもコミュニティに貢献していきたいです。

その他の抱負については以下の通りです。

  • きのこるエフエムの活動を再始動する 達成 …… 再始動というよりはけじめですが、一本収録と公開を行いました。現時点で今後はノープランですがやりきりました。
  • 1日1回のペースでTwitter投稿を行う 未達 …… 後半失速していましたが、夏頃までは頑張っていたように思います。
  • 専門領域内外での自己研鑽を行う 達成 …… 資格ではCSPOを取りました。TOEICではIPテストですが、750を記録しました。
  • 「技術」との付き合い方について再考する 未達 …… 結果的に今向き合っている気もしますが、結論が出るのはもう少し時間がかかりそうです。

自分自身の傾向として、半年過ぎたあたりから抱負を忘れてしまいがちなのですが、それなりに達成していますね。

2024年の抱負

2024年については以下を意識してみたいと思いました。

学ぶ仕組みを構築する

昨年はアウトプットに着目しましたが、新たなコミュニティで活動する中で、知識、実践、人といった情報量の差を感じる場面が多々ありました。

これまでも決してインプットを怠っていたわけではないはずなのですが、ギャップに気づいた時に自己批判をしてしまったのもまた事実です*4

情報に携わった時間が解決してくれそうな気もしつつ、知識の方向性がある程度固まっているのであれば仕組みで補えないかと考えてみました。

インプットも行いながら迅速にアウトプットも行われている方々については素朴にすごいなーと思います。

新たな専門領域を確立する

支援の仕事に注力して数年、どこかふわふわしているような、自らが無駄な存在なのではないかというような感覚に襲われることがたまにあります。

上手く言語化できないのですが、支援業務経験が浅いことに加えてサポート役の性質上、自分が事業に携わっているわけでなかったり、無意識に己を過度に蔑ろにしたりすることに起因しているような気がします。

ともあれ、信念や軸足がない点で精神的に脆弱になってしまっていることは否めません。自我を取り戻す一手段として、「これが私の職業で、こういった意義がある」と言えるような専門領域を確立したいと考えました。

実践に応用する

上記2つは主にインプットに注力していますが、現場で取り組んでみることも大事です。

そこで知識獲得や思考だけでなく、実際の業務やコミュニティで取り組み、そこからの学びを活かせればと考えます。

2024年も徐々にですが、立ち上げていきます。どうぞよろしくお願いします。

*1:10日ほどの年末年始休暇を経て先週から仕事始めです。

*2:リセさんでの開発支援事例を年末に出したくらいでしたね。

*3:業務でアジャイルコーチをしながら、実質的に何も分かっていなかったことに気づいたのは一種の大きな学びで、私にとっては直近ぶつかっていた壁の原因でもありました。歳を重ねるたびに相応に知識や経験で秀でていなければと焦ったり、その危機感からか自分を大きく見せたくなったりしましたが、まずは無知を認め着実に一歩ずつ進められればと今は考えています。

*4:他職種からエンジニア転職など、過去に出会った方の中にもこのような気持ちの方がいたのかもしれません。憶測ですが

アジャイルコミュニティを知って、Scrum Festの全国行脚をした話

この記事はRegional Scrum Gathering Tokyo & Scrum Fest Advent Calendar 2023の20日目の記事です!(投稿が遅れてごめんなさい)

adventar.org

今年は私にとって、アジャイルコミュニティを知った年でした。

そもそも私がアジャイルに関与し始めたのは割と最近で一昨年の暮れ頃からです。おそらく国内に前例のない*1、VCで投資先の開発領域を支援する活動の一つとしてアジャイルコーチングが有効であると模索しながら進んできた流れの中にあるのだろうと考えています。

最初は右も左も分からなかったため、直面する状況を有識者に聞きながら進めていました。そこからアジャイルを自分の身につけたいと思い始めて認定研修を受けたのが昨年の7月で、徐々にですが業務での実践とインプットを織り交ぜながら日々を過ごしていました。

これまでも開発者としてRubyやVue.jsなど言語系のカンファレンスや勉強会に参加していましたが、不思議とアジャイルに関しては同様のコミュニティを探す活動をしていませんでした。

もしかしたら2022年は今と比べて感染症の扱いが厳しかった*2ので、日々の生活においてコミュニティの存在を知る機会が乏しかったのかもしれません。

ともあれ、私にとってのアジャイルコミュニティとの出会いは今年3月のアトラクタさんの合宿型イベントへの参加でした*3。確か偶然SNSで投稿を見かけたのがきっかけだったと記憶しています。

www.attractor.co.jp

イベントの中で、Scrum Fest福岡の動画上映会をやっていたのをみて、アジャイルにもカンファレンスやイベントが開催されていることを知りました。人が集まる場所に行くことのメリットはこうして幅広な情報を得られることだと改めて思います。

当時、私はイベントはもちろんコミュニティのことは無知だったので、アジャイルコミュニティをより早く知るために一つの目標を立てました。それが以降開催されるScrum Festに全て参加するというものでした。

実際、以下のScrum Festに関して現地参加することができました。こうしてみると北から南まで満遍なく移動していますね。

特に前半(〜秋口頃)においては、Scrum Fest毎にゴールを決めて参加することを意識していました。

具体的には、新潟であれば現地参加すること、大阪であればアンオフィシャルな飲み会に行くことのようなものでしたが、最終的には、上司と登壇する機会*4を得るまでに至りました。

treby.hatenablog.com

Scrum Festに参加した上での学びは下記です。

  • (当初の目論見でもあったが)コミュニティの積み重ねやアジャイル実践者の勘所を知ることができた。
  • 各地で開催されることのメリットとして参加者層コミュニティの骨子がありながらも、各地域ならでは体験ができた*5
  • 体感値であるが、コミュニティにアウトプットの文化が根付いており多くの方が頻繁に発信をしていることがわかった。
  • コミュニティを通じて様々な知見に触れられるメリットの裏返しとして、やや情報洪水気味な状況に陥った。
  • 特にOST等の参加型のコンテンツにおいては、回数を重ねるほど自分自身の引き出しの浅さを感じた*6

実は直近は、ややエネルギー切れ*7なところがあり割とまったり過ごしているところです。 とはいえ全体としては、コミュニティに携わってみて自身の現在位置や反応を含めても良い学びになったのかな、と思っています。コミュニティで携わってくださった皆様に感謝です。

これを踏まえて来年以降、学びを深めつつ自分のスタイルでコミュニティ参加していければと考える所存です。

*1:さらには今も他にやっている話は聞かないですね

*2:新型コロナウイルス感染症の5類移行が今年(2023年)の5月でした

*3:こう書くと我ながらなかなか攻めているようにも見えます。前週にebackyさんのCSPO研修を受けるなど、3月はアジャイル月間でした。

*4:もっともこれに関してはゴールというより、セッションを向上するための1アイデアでしたが

*5:ニセコで道内トークを聞くことができたり、沖縄で地場のお店に行けたりするのは現地ならではでした。楽しかったです。

*6:冷静に考えれば歴が浅い分、当然と言えば当然なのですが

*7:夏〜秋にかけてアクティブに動いた反動でしょうか

11月のふりかえり

アジャイル系のイベントに参加した

スクラムフェスニセコとアジャイルコーチとスクラムマスターの集いに参加していた。

スクラムフェスニセコは夫婦で参加予定であったが、諸般の事情で一人での参加となった。

実は前回3月にも参加していたのだが、私にとってはそれが初のアジャイルコミュニティ参加で右も左もわかっていなかった。

今度はコミュニティの一員として、より力を入れずに参加できたように思う。

イベントの中では、kyonさんに壁打ちしてもらったり、aki.mさんとジョギングしたり、7つの習慣ボードゲームで盛り上がったりした。

OSTセッションの一つ、「アーニャ描く選手権」で評価されたのが少し嬉しかった。

アーニャ描く選手権でクライアント(石井さんの娘さん)から最優秀作品に選ばれた

その他にはLeSSの夜明け というイベントに参加した。合宿に参加しているメンバーもそこそこ見かけた。

www.scrumfestsapporo.org www.attractor.co.jp

フルマラソンを走った

スクラムフェスニセコの二日後に富山マラソンに参加した。今年3月に参加した鹿児島から半年ぶりのフルマラソンである。

予定の関係で翌週火曜日には動けるようにしないといけないという点で大会後のケアを意識した。

流石にハードスケジュールだったのと、大会後を考えるプレッシャーから、タイムは前回より芳しくなかった(というより、途中から意思を持って歩いていた)。

そんな感じではあったが、ゲストに来られていた有森さんにすごく勇気をもらった。

総括

催し事たくさんである一方、多忙すぎたせいか自分のキャパシティをやや超えていたのか最高のパフォーマンスとはいえない状態が続いた。

いくつかを終わらせて、自分の優先事項を整理することで多少は良くなっているように感じるが、今回の不調も経験として今後のスケジュール作りに生かしたい。

ポートフォリオサイトを更新した

SNS等からリンクしているポートフォリオサイトを2年半(2021年1月)ぶりに更新した。

普段意識することが少ない一方で、意外とポートフォリオが参照されているのだが、昨年(2022年)の抱負に挙げながら未達となるなど、ここ数年は実質的にメンテナンスできていなかった。

一つには、更新のハードルが高いということもあろうということで、従来のNuxt.jsベースからNotionベースに切り替えた。移行の際にNotionをあれこれ触ってみたのだが改めて奥の深さを感じる。これからもいろいろいじっていきたい。

ドメイン周りは微妙に中途半端(リダイレクトでお茶を濁している)なので、時間を見つけて更新していきたい。

スクラムフェス仙台とスクラムフェス三河に現地会場からオンライン登壇した #scrumsendai #scrummikawa

Scrum Fest Sendai 2023とScrum Fest Mikawa 2023で業務についての登壇を行なった(前者は品川アジャイル枠での採択)

どちらもオンライン登壇だったけれど、それぞれ会場現地まで赴いて行ったこともあり、新鮮かつ充実した感じがする。

www.scrumfestsendai.org www.scrumfestmikawa.org

当日は特に緊張もせず滞りなく進行できたように思う。ある方からは「場慣れ感すごい」というコメントをいただいたが、登壇に慣れているのではなくオンラインMTGの数をこなしているからかもしれない。

スクラムフェス仙台 2023

Scrum Fest Sendai 2023 - ベンチャーキャピタル(VC)にアジャイルコーチがいたら親和性が高かった件 〜スタートアップの開発チームをハンズオン支援した中でのまなび〜 | ConfEngine - Conference Platform

アジャイルコミュニティはもちろん、自分が初めて現職の一員として発信する機会となったこともあり、準備の質・量(時間)ともに意識して投資した。具体的には、自分で構成を考えるのみならず、社内外にフィードバックを求め内容をブラッシュアップした。

特に別途で時間を取っていただいた jx.matsushita さんや対話しながらFBをくださったpiro.takahara さんには大変お世話になった。ありがとうございました。

最終的にスライド枚数が126枚になり、結局45分枠で正味50分以上話していたのだけど、品川アジャイルの寛容な対応により中断されることなく話しきることができた、ありがとうございました。

スクラムフェス三河 2023

Scrum Fest Mikawa 2023 - ソフトウェア開発に限らない、アジャイルチームとなるための要素 〜VCの支援専門チームにおける事例からの考察〜 | ConfEngine - Conference Platform

仙台と対照的に限られた準備時間の中、当日を迎えたのが三河のセッションだった*1。実は前日時点でもスライドが完成しておらず、なんとか形になったのは当日の朝5時台だった*2

あまりに進捗が悪く前日はジムに行けていなかったこともあり、やり切った後、報酬代わりに走った豊橋の街は気持ちよかった。

今回はオープニング直後のセッションだった。開始の15分前に共同登壇者がZoomに入っていたので、会場からズームインするなどした。

登壇をアーカイブをみていて以下のことに気づいた。

  • 昔からの自分の傾向でもあるが、思考のスピードと言語化のスピードが一致しておらず、聴衆として分かりづらいところがあった。
    • 例: スタートアップのスクラムに関するQ&Aで文章が終わらないところなど
    • 意識して間をとったり、思考が整理されてから発言するようにしたり、訓練はしているが、それでも発生していた。受容しつつも向き合いたい。
  • 予想以上に共同登壇者をいじっていた
    • 例:「一応、上司」や「一年前に人を増やしてでも3ヶ月で機能を作って欲しいとリクエストを受けた」など)。
    • 直近、1on1でのふりかえりではチームの雰囲気が伝わって良かったのではないかとのコメントをもらったので寛大さに救われている。
  • 発話が囁きになって、ところどころ聞き取りづらいところがあった。意識して発話したい。

そんな綱渡りな発表であったが、トラックオーナー以外にもリアルタイム視聴に来てくださる方もいてありがたかった。

また、いつも仕事をしているだけあって、共同登壇者にどんな投げかけもできる安心感があるのもよかった。ありがとうございました。

Discordのみならず、後日フィードバックをもらえたのはとても嬉しかった。

ともあれ8月9月の「登壇ラッシュ」とも言える状況は、先の三連休でひと段落したように思う。

自分は何をする人なのか、について

ちなみに発表を機に作った資料は、その後、自分の仕事を対外的に説明するのにすごく役立っている。

VCというとお金のまっさきにイメージが出てきたり、VCの支援と言うと事業再生(PEファンド的)が想起されたりする世間では、ほぼ必ず「自分が何者か」の説明が求められる。

世の中に概念が知れ渡っていないことを伝えるためには、受け手側の概念に合わせて物事を説明する必要性は理解できる一方、毎度即興で行うことは僅かであれ負担でもあった。登壇資料はこのペインを解消してくれている。

実際、初対面の方に説明機会を多く得られた直近*3では、すでに投資した時間に対する回収ができているくらいには効果を発揮している。

今回登壇してみて、良かったことの一つがこの説明コストの低減だ。*4

スタートアップの開発者採用支援とWe are hiring!

最後に宣伝をば。

スタートアップでのお仕事に興味がある方は以下のリンクからぜひ(弊社の採用支援子会社GBHRのタレントプールではあるがコミュニティの側面もあります)。

globalbrains.com

スクフェス仙台の登壇では「アジャイルコミュニティにスタートアップ界隈の人が少ない」という課題提起をしたが、逆にスタートアップに興味があっても関わりがない人もいたらしいことに気づいた。

それで今今はスクラムマスター/アジャイルコーチの登録は全くのゼロではなくなっているとのこと。ありがたい。

また、若干名ではあるが、チームメンバーも募集している。

globalbrains.com

正直、現状の開発支援は境目がない&フルタイムでは開発系一人*5という、伸び代しかない状態である。

レッドオーシャンとかブルーオーシャン以前に、そこに海があることすら知られていないような仕事を広めていける方とご一緒したい。

*1:言い訳になるので絶対にセッション中には口にしないと決めていたが、背景として当日一週間前から急に仕事の負荷が上がっていた。ただ、意識していたとはいえ仙台とアーカイブを見比べてみると自分自身のクオリティに明らかに差があった。まだまだ精進が足りない。

*2:それもあって、本番時に共同登壇者のキャリアのスライドが追加されているのに気づき、つい指摘をしてしまったw

*3:特に8月9月は様々なイベントに顔を出している。

*4:アジャイルコミュニティであれば、「VCで支援先企業のアジャイルコーチをしている」である程度通じるのでありがたい。ちなみに自分がアジャイルコーチをしているらしいことも今年の6月頃に気づいた、もしくは自覚した。名前づけ重要。

*5:正社員ではないが8月から外部パートナーとして川崎さんに助けていただいています。開発のハイコンテキストワードで会話できるってすごい。

『アジャイルプラクティスガイドブック』を読んだ

備忘・参照用にペタペタ付箋を貼っていたらこうなった

アジャイルプラクティスガイドブック チームで成果を出すための開発技術の実践知

発売前から気になっていて、7/20頃に届いたものをつい先日読み終わった。XでPostするには長くなりそうだったのでこちらに所感を書いてみる。

  • 一般にアジャイルプラクティスと認識されていないものも含めてチーム開発で押さえたいポイントが網羅されていてよかった。
  • 既存の知識とdiffをとった時に、テスト周りは知らないことが多かったので勉強になった。例えば、下記。
    • 検証(Verification)と妥当性確認(Validation)の観点
    • よくないテストコードのパターン例 (名前がついていることを知らなかった)
    • 「技術的負債」の言語化例 (CSPO研修でTechnical Quality / Undoneを学んでいたところに引き出しがさらに強化された)
  • ところどころに例示が可能な図表や一覧表が載っており、適宜リファレンスとして引用できそう。
    • 先述のよくないテストコードのパターン例
    • 「協働作業」の言語化
    • よくあるチーム構成
    • ムダの種類
  • 開発プラクティスでは言語別の具体例が紹介されているので、業務でスクラムやリーンがピンとこない層にも紹介しやすい。
  • 若手層/チームに参考図書を求められることがあるが、個人軸なら『プリンシパルオブプログラミング』、チームで読書会するなら本書かな、という感想。
    • ソフトウェアエンジニアのキャリア初期だと「まずは自身の技術力を伸ばしたい」という声を聞くことが多い。そのニーズに十分応えた上でチーム開発にも目を向けてもらえそうなのが良い。
    • そして、チーム開発の機運が高まったところで『SCRUM BOOTCAMP THE BOOK』をおすすめするというジャーニーを描けそう。
  • 実際につい先週、支援先のチームに本書を紹介してみた。これからどう反応があるか分からないが、感触は悪くなさそうでアジャイルコーチとして伴走していきたい。

何より支援をする立場としては、こうした本が継続的に出てくるのが、紹介する際の先方への説得力にもなってありがたいと感じる。