もう意志力には頼らない。無意識を才能に変える。『ぼくたちは習慣で、できている。』

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リコメンドきっかけで聴き始めた一本だが、当初の期待以上によかった。

習慣をテーマにしたこの本では習慣は次のような要素で構成されていると紹介されている。

  • トリガー
    • 時間
    • 場所
    • 心理状態
    • 直前の状況
    • 一緒にいる人
  • ルーチン
  • 報酬

そして、やめたい習慣の場合はこれらを特定、作りたい習慣の場合はこれらを作ることを述べている。つまり、続けたい習慣であればトリガー部分を作り出すことが、やめたい習慣であればトリガーとなっている要素を特定し、そのハードルを上げることが重要となる。

意志力という曖昧な概念にその責任を転嫁し、毎度敗れていた(いる)私にとっては目から鱗だった。

きのこるエフエムの収録でらぷらぷさんとお話した際は「自分を信用していない」と言っていた。彼がなぜ規則正しく毎日を送り、特に毎朝5時起きできるのかという疑問に対しての回答だったと思う。

anchor.fm

行動を意志ではなく習慣で行なっている様子は、まさにこの本の内容とリンクしていた。一日の時間割という概念も、時間割通りに動くというよりはむしろ起床をトリガーにして習慣を発動、その習慣の終わりをトリガーにして次の習慣を開始……というサイクルを続けること(本書内ではチェーンメイクと呼称されている)で結果的に、一日が時間割のようになることを理解できた。

本書に近いテーマを取り扱ったものでいうと、以前、続ける技術という本を読んだ。

treby.hatenablog.com

二つの本で共通しているのは、何かやりたい・やめたい物事があった時に行動心理学の側面からハードルを下げる・上げるというテクニックであるが、習慣本でさらに唸ったのはそもそも意思力を必要としない仕組みを作るという概念だった。

振り返ってみるとこれは確かに心当たりがあった。自分には耳からのインプットが性に合っているらしく、通勤中や入浴時、料理をするときなどに好んで音声コンテンツを聴いている。本書などはその一例だ。また最近では意識的に長時間入浴しており、防水のKindleを風呂場に持ち込んで積ん読の消化を行なっている。

これらの行動は狙ったわけではなく半ば無意識にやっていたのだが、確かにルーチンになっている。そして以前に比べ幅広い知見を得ることができている。

この習慣化のメソッドを他の物事に意識的に適用すればあらゆる希望を達成できるのではないか。読了後の一時の興奮のようにも思えるが、AudibleやKindleができているのだから、ちゃんとできるという予感もしてきた。

試しに半月前からプライベートの日記をつけはじめ、一週間前から早起きするようにしているが、上手くいきそうな手応えが確かにある。

私にそんな行動変容を促してもらえた点ですごく良い本であるといえる。