自分の弱みと向き合う

昨日橋本さんとお話する中で、学生時代に私が言っていたことが印象に残っていると教えていただきました。曰く、
自分も部谷くんのように橋本さんに認めてもらえるようになりたい
と言っていたそうです。
「部谷くん」とはQITOコースで同期だった部谷修平さんのことです。最近ではMilkcocoaの開発者として有名ですね。部谷さんは学生の時分からCloocaで未踏のスーパークリエイターに選ばれるなど活躍されており、上記はその活躍を羨んでの発言だったのでしょう。

黒歴史とも言える過去の発言を覚えられているあたり、昔からの知り合い怖いわぁwとまずはビビりつつも、今であれば当時、橋本さんが感じられていたという
違うんだよ、部谷くんと二宮くんでは同じ評価軸では見ていない
と、概ね同じことを考えられるようになったのかなぁ、とも思います。

互いに年月は積み重ねてきているとはいえ、彼我の立ち位置に当時と劇的な変化はありません。ではなぜそう思えるようになったのか。
 
自分では明確に意識はしていなかったですが、そこには何らかの考え方の変化、具体的には自分の弱み・嫉妬との向き合い方がいったものがあるはずです。

今日はこの辺りについて書いてみたいと思います。

自分語りとなり、また自分で言うのもお恥ずかしい話ですが、私は性格的に一般と大幅にズレている部分があるようです。「ようです」という表現をしているのは、あくまで他人からの指摘を鑑みて総合的に判断したからで、困ったことに全く自覚がなかったのです。

誤解していただきたくないのは、当人としては至極真面目にやっているのです。なのに、どうやら傍からみるとそうではないようにとられることが多い。

それで特に仕事の上では、「失礼だ」だとか「礼儀がなっていない」とよく注意されたものでした。つらいパターンだと「人間性に欠けている」と評されたこともありましたでしょうか。

どうやら私には他の人が当たり前にできていることが自分には難しかったようです。

自分では当たり前をやっているとはいえ、サンプルが数えきれないほどになってくると、嫌でもその現実に直面します。

当然悩みましたし、「常識」を身につけるために自分を抑えこもうとした時期もありました。しかし、できなかった。やはり、他人のイージーが私にはハードだったのです。

できない以上は仕方ない。最終的には、普通であることを諦めました。諦めたといっても、前向きな諦めというか、言いたい人には言わせておけば良いかな、とそんな風に気持ちが切り替えられるようになりました。

ただ勘違いしてはいけないのは、一見攻撃のように思える周囲の指摘も、ある側面からすれば真実を指しているということです。

物事には多面性があり、その中には自分にとって文字通り「理解に苦しむ」ものも少なくないだろうと思うのです。「他の人が当たり前にできている」ことを説く方々は「理解に苦しむ」ものを教えてくださっているのです。

そう考えると、むしろ言いづらいことを指摘していただいている分、言ってくださる方々には感謝すべきであることに気が付きます。

とにかく大事なのは、まずは自分自身が

自分がそうであることを受け入れる

ことなのだとある日、直観したのです。

何も状況は変わっていません。なのに、私の場合は心がふっと軽くなったのを覚えています。

心が軽くなると、余裕が出てきます。その時に気づいたのは、「他の人が当たり前にできていることが自分には難しかった」ことの別の側面である、「他の人には難しいことが、自分には当たり前にできていること」でした。

その時、弱みを克服しなければならない守りの姿勢は、強みを伸ばしていく攻めの姿勢に転じます。考え方を変えるだけでこんなに気持ちが変わるものか。ああ、うみねこで出てくるチェス盤をひっくり返すというのはこういうことだったのか!(適当です)

この経験で得られたのは、大事なのは「弱みではなく、強みに目を向ける」ということです。

自分は、どうやらこの分野が苦手なようだ。が、この分野であれば他人が苦だと思うことでも難なく出来る。おそらく皆さんの中にもそういう分野があるのではないでしょうか。

もし、その特性に気づいたらそれをちょっとだけ計算して使っちゃえばいいのです。強みにするのです。

そう考えるとあらゆる嫉妬や羨望は結局は「隣の芝生は青い」、そういうことなんじゃないかなぁと思うわけです。
相田みつをさんは、詩、もしくは書の中で「トマトがトマトであるかぎりそれはほんもの」と言われています。

身の程を知る」じゃないですが、自分の与えられた役割を思えば、他人の個性の発展もまたかけがえのないものに思えてくるものです。誰彼はこういうことができる。しかし自分にはこれしかないんだ、と覚悟が決まると不思議と気力も湧いてきます。

自分の弱み・欠点と向き合うのも程々にして、自分の強みを見つけ、それを信じて闘ってみる。
少なくとも今の私はそうやって、一日一日を生き抜こうとしています。
自分だけしか歩めない 大事な道ではないか
そんな、松下幸之助さんの言葉が胸に刺さります。