昔から興味あったのですが金曜夜〜土日の開催期間に先約があり参加したことのなかったStartup Weekend。参加費はなんとでもできるとはいえ、週末から3日間使うというのはなかなか時間的コストが高いものです。
この度、たまたまStartup Weekendの開催日程と私の予定が調整可能な日程が重なりました。週末3日間を使うのか、というのは最後まで悩みましたが何事も飛び込んでみないことには始まらんだろう、ということで思い切って参加を決めました。
3日間の流れはおおよそ以下のような感じでした。
- 1日目
- ピッチ
- チーム結成
- 2日目
- コーチング
- 3日目
- 審査
1日目に行われるピッチは自分の考えたアイデアを参加者全員(40名ほど)に発表する場です。通常であれば自由に発案して良いようなのですが、今回は「学び」というテーマの制約がありました。
ピッチは任意参加でその後、ピッチで出たアイデアをベースにチームを結成します。チームの構成単位は最小で3名、すなわち会場で3名揃えられなければプロジェクトが始まらない仕組みになっていました。
私はピッチのタイミングで最初は様子見をしていました。しかし徐々に盛り上がっていく会場の熱気とここでやらないと度胸試しもかねてピッチをしてみることにしました。
結果的には他の方のアイデアに乗る形になったのですが、ピッチを見て上手いな、と思ったのは、何よりも情熱をもって聞き手にメッセージを伝えていたことでした。
チームが結成されたら1日目(金曜日)のコンテンツとしては終了です。後は日曜日の審査に向けて、準備を進めるだけです。そこまでに何をするかはチームの自由でビジネスモデルを詰めたり、アンケートを取ったり、MVP(Most Viable Product)を作ったりと各々のチーム判断で動きます。
我々のチームでは、学びの中でも「学生に本をもっと読んで欲しい」という課題からスタートしました。アイデアの発案者(大学生)の原体験である中高生時代は本が嫌いだったが本を読むことで世界が広がった、だから、読まされるのではなくすすんで読みたくなるようなソリューションを提供したいというロジックでした。
大元のアイデアは素朴なものでしたが、深掘りしていくと、果たして原体験にある「良かったこと」の本質はなんなのか。本をビジネスにしても、電子書籍なのか紙の書籍なのか、ターゲット層は児童なのか学生なのか新卒なのか社会人なのか。収益性はどうなのか。
ディスカッションを進める様子は就活でのグループワークや学生の頃に履修したPBL(Project Based Learning)のノリが一番近かった気がします。ただ周りも自分も学生だった当時と違い、各々が社会人経験のなかで得た知見を交えて議論するのが新鮮でした。
2日目のコーチングでは、実際に世の中で活躍されているコーチの方にその時点でのフィードバックやアドバイスをもらえます。我々のアイデアはコーチング段階ではふわっとした状態だったのですが、それでも似たようなサービスが海外にあるというフィードバックや誰の課題を解決するのか、誰が金を払うのかというのを整理するための示唆を与えてくれました。
3日目の審査では、コーチとはまた別の審査員に対してプレゼンを行います。プレゼンではただ単にアイデアが優れていればよいわけではなく、解決したい課題やビジネスモデル、動くMVPや使いやすさという点が総合的に見られました。
今回はあまりエンジニアリングと関係ないソリューションになりましたが、アクを強く出して技術ソリューションを押し出していくことで開発者観点を強くいければ、また違ったソリューションにたどり着いていたのかもしれません。
同時に本職でビジネスモデルを考えている人たちと対等にわたり合うためのビジネス感覚まではまだまだギャップがありそうに感じ、この点はこれからの業務の中で意識していかねば、と感じました。
一方で、チームビルディングは全体で見ても上手くいったと思っていて、ありがたいことに共に3日間を過ごしたメンバとは今後もお付き合いを続けていけそうです。
Startup Weekendの標語として紹介された「No Talk, All Action.」という言葉が好きで、何事も言い訳をせず、まずは行動してみようと再確認できたイベントでした。