ちょうど良い塩梅

辛いものばかり食べていると甘いものが、甘いものばかり食べていると辛いものが食べたくなるようにその時々に置かれた状況で背反する要素を求めてしまうことがあります。

田舎に住んでいる時は都会に憧れてみたり、逆に都会での慌ただしい生活の中では田舎ののどかな景色に懐かしみを覚えたり。

このままじゃダメだと環境を変えてみた後ですら、たまに以前の環境を思い出してしまうのは、前はあったけれども今はない何かを必要としているからでしょう。それは空気のように自分を支えており、当然だと思っていたからこそ失って初めて気づく類のものなのかもしれません。

変化の最たるものである、極端に振れてみて分かるものは確かにあります。渦中においては、良いのか悪いのかの判断すらままならなくなっていることが多いですが。

極と極。きっとどちらかが良いとか悪いとかではなくて、それぞれに自分にとって合う合わない部分があって、あとは何がどの程度の分量が丁度良いのか、それだけな気がします。
 
ああ、自分はここのところがないとダメなんだ、こうでないと自然でいられないんだ、と、現状の違和感とかつての自分を比べてみて気づきます。 
 
自らを置く環境を変えながらも、変わらない自分を見据えていければ、どこかで最適な場所を見つけることができる。

そう開き直れれば、不安を抱えていたとしても、恥を晒したとしても、今、目の前の道を進んでみようという気にもなれるのでしょうか。