『二月の勝者 ー絶対合格の教室ー』

軽い気持ちで読み始めたら既刊の9巻まで一気に読んだ。面白い。まだ完結はしていない。

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読み始める前はそのタイトルから『ドラゴン桜』のようなレベルの高い志望校に合格するための物語が描かれているものだと思い込んでいた。

しかし実際には、中学受験を取り巻く塾講師と、生徒・生徒の親それぞれのドラマを一年を通じて描写しているものになっている。もちろん、塾通いしている時点で上澄み率は高いのだが生徒のレベル感は様々だし、思惑も家庭でそれぞれ違う。

さらに中学受験というシチュエーションの面白いところは高校・大学受験と異なり親の存在が大きいところである。生徒自身もそんな親に影響されつつ家庭ごとに個性が出ていて良い。

その中で読んでいくうちに応援したくなる生徒が出てくるのは親心、あるいは塾講師の心情に近いものだろうか。

物語は塾講師目線を主軸に展開しつつも、その裏では必ず各家庭の生徒や親の心情の機微が影響してくる。

それは自分の経験からはかすりもしていない中学受験の「あるある」なのだろうが、それでも興味を引かれてしまう。そんな作品である。

現時点で放映が延期されているがドラマ化もされるらしい。こちらも楽しみ。

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